年々高齢化社会が叫ばれている日本ですが、現在は介護サービスや介護ビジネスが盛んになっています。20年ほど前に介護保険法が施行されからは特に高齢者向けの介護サービスが充実してきました。
昔のような二世帯三世帯住宅は減少傾向にあって、1人暮らしをしている高齢者も急増しています。こうした高齢の独居世帯でも安心して暮らせるように時代は変わりつつあります。
とはいえ、今でもニュースで時々高齢者の孤独死が報じられたりして、まだまだこれからも孤独死は増えてくるものと予想されます。
今回は高齢の独居老人の問題点などについて紹介したいと思います。
年々増え続ける高齢者人口
高齢化問題はしょっちゅうテレビや新聞でも報じられていることもあって、関心のある人も多いのではないでしょうか。
少子化も手伝って3人に1人は65歳以上という世界がすぐそこに迫っています。また昭和の頃は高齢者は息子夫婦や孫たちと一緒に暮らすのが一般的で、二世帯三世帯で生活している家庭も多かったと思いますが、若者たちは都会に行き、高齢者だけが地方に一人暮らし、または高齢の夫婦だけで暮らしているというパターンも珍しくありません。
実際高齢者が暮らす世帯のうち、高齢の夫婦のみ世帯、高齢の単独世帯を合わせれば全世帯の6割程度弱を占めていると言われています。つまり半分以上の高齢者は二世帯以上で暮らすことはなく、自分たちだけで生活をしているということになります。
この数字はこれからも益々増えていくことになるので、特に高齢者の単独世帯については孤独死を防ぐのは難しいのではないでしょうか。
高齢での一人暮らしで起こる問題について解説したいと思います。
高齢者の一人暮らしにはどんな問題点があるか
単独世帯で暮らす高齢者が直面する問題点として考えられるものはたくさんあります。若い世代の一人暮らしと高齢者の一人暮らしでは体力も行動範囲も全然違うため、同じように考えることはできません。
まずひとつめは急病や突発的なケガなどをした場合の対処ができないということです。自分一人だけだと、特に生命にかかわるような大きな病気になった場合の対処が難しいことが挙げられます。
実際孤独死のケースでも心筋梗塞や脳梗塞など体調の急変によって命を落としてしまう人も少なくありません。特に高齢者の場合はこうした急病になるリスクは非常に高いので注意が必要です。
少しでも早く誰かが発見して救急車を呼んでいれば助かることも多いのですが、1人暮らしの場合は自分で救急車を呼べないと命取りになってしまいます。
見守りサービスや緊急通報サービスなどを利用することで多少は防げる可能性もありますが、根本的な解決策にはなりません。できるだけ自分の体調管理と健康の維持をすることが望ましいでしょう。
また、他にも高齢者のみの世帯で暮らす場合は生活の質が低下することも挙げられます。日常的にコミュニケーションができる相手がいないことで、生活がルーズになったり、余計なストレスを抱え込んだりしてしまうこともあるでしょう。
それが原因で認知症になったり、物忘れがひどくなったりする可能性もあるので注意が必要です。できれば自分から積極的に旅行に行ったり、近隣の人たちとコミュニケーションを取ったり、スポーツをしたりと少しでも社会との触れ合いをすることが大切です。
他にも高齢者のみの世帯は詐欺などの被害にあいやすかったり、訪問販売などのターゲットにされたりすることも珍しくありませんので特に気を付ける必要があります。
できるだけ健康を維持すること、少しでも社会とかかわりを持つことを積極的に行なっていくことが重要です。
家族と同居するか介護施設に入るか
こうした高齢者世帯の問題を解決するには昔のように家族で暮らすのが一番だと思われます。もちろん今はひとりでも生きていけるような社会のインフラが整っているため、大家族よりもみんなバラバラで生活している家族のほうが多いかもしれません。
サザエさん一家のような昭和な感じの家族は少なくなったと感じている人も多いでしょう。
家族がみんな仲良くて大家族で住むのが一番の解決策だとは思いますが、実際はなかなかそう簡単には行きません。
そうなると老人ホームや介護施設の利用が一般的だとも言えるでしょう。ここ20年ぐらいで街のあちこちに介護施設や老人ホームができました。
都会から地方までたいていの市町村にも介護施設はいくつかあるのではないでしょうか。例えば北海道でも札幌の介護施設紹介しているサイトもあり、いろんな介護施設の情報が掲載されています。
なかなか家族でみんな暮らすことが現実的に難しくなってきたら、こうした介護施設を積極的に利用するのもひとつの方法ではないでしょうか。
体が元気な人でも介護施設や老人ホームで友だちができて楽しく老後を暮らしている人もたくさんいますので、いろんな可能性を検討してみるのもいいと思います。